橋本忠雄ブログ

2017年10月19日 10:23

短歌の部屋(31)

今日のお題は、『山』

☆山頂のゾンを目指して登りゆく切り立つ崖に鷲が飛んでる


これは、ブータンのタクツァン僧院に、登ったときの光景です。この僧院は、標高3000mの高地にあり、酸素不足に弱い恭子さんには、ちょっと無理そうだったので、その手前の展望台までで登るのを止めました。それでも、2800mの高さがありました。ブータンには、600〜800種類もの鳥がいるそうです。そして、タクツァン僧院の地域には、鷲(golden eagle)も見られるとのことでした。ゾンというのは、分かりにくいですね。単に〈僧院〉という言葉でも良いかもしれない。また、注釈を付けるとすれば、〈ブータンの僧院〉と書いて、普通の僧院とは、違うということを説明したほうがいいでしょう、とのことでした。
★山頂の僧院めざして登りゆく切り立つ崖に鷲が飛んでる


☆霧は湧き霧は流れて山腹のゾンはたちまちかき消されゆく


東ブータンに行った時、目の前の風景が、見る見るうちに霧に閉ざされていくのを目撃しました。その場所は、霧が沸くので有名なところだそうです。背景に、山の稜線。そこに立ち並ぶ樹木の数々。その手前にあるゾンが、次々に霧に呑み込まれていきました。そしてその前に幟(ダルシン)が、棚引いているのでした。
★霧は湧き霧は流れて山腹の僧院たちまちかき消されゆく


☆山間の風に吹かれる稲の穂が黄金になった秋に抱かれて
〈秋に抱かれて〉は、上手い表現ですね。豪華な美を感じさせてくれる歌になっていますとの評でした。〈黄金〉という言葉といえば、二つの歌を思い出しました。


★向日葵は金の油を身にあびてゆらりと高し日のちひささよ


これは、前田夕暮『生くる日に』の有名な歌です。
この歌を初めて読んだ時には(おそらく高校生の頃だった)、絵画的な美しい歌だと、感動したことでした。


もう一首は、与謝野晶子の歌、『恋衣』から。
★金色のちひさき鳥のかたちして銀杏ちるなり夕日の岡に  


この場合、〈金色〉は〈こんじき〉と読みます。〈きんいろ〉と読むと、〈金(きん)〉は、音読、〈いろ〉は、訓読になります。〈こんじき〉と読むと、〈こん〉も〈じき〉も音読になる。〈金〉の訓読は、〈かね〉。音読は、漢語として読んだもの。訓読は、和語にあてはめて読んだもの。〈こん〉は、漢語の呉音で読んだもの。
同じ漢語でも、時代や地域によって発音に違いがあったので、呉音や漢音の異同が生じた。
以上は、小谷先生からのお教えでした。
いずれにしても、言語知識というものは、難しいものですね。


 

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