橋本忠雄ブログ

2018年4月18日 20:02

短歌の部屋(47)

お題は『鳥、ペット』。

 

☆飛騨の町雪降る川に飛び来たり頻りに潜る川鴉一羽

年末に、飛騨に行ってきた。飛騨の一つ向う、終点の飛騨古川の町である。

地元の人たちには不評な雪も、私たちには嬉しいものであった。

雪虫が降ってくる中、流れる川を見ていた。最初は一羽の鳥もいなくて寂しく感じていたが、やがて左の方角から、川面に沿って低く、黒い鳥が飛んできた。大きさは、ツグミくらいか・・・逆行の中で黒っぽく見えた。見ていると頻りに潜る、少し歩いてはまた潜るを繰り返した。こんな寒い中でも、小さなからだで生きているのだ。果たして何を食べているのだろう?小魚や虫がいるのだろうか? または岩に付着している苔でも食べているのだろうか?

この歌には、(川)という言葉が、二回使われている。使っていけないことはないが、一般的には、好ましくない。変える方法としては、二つある。

★飛騨の町雪降る(空)を飛び来たり頻りに潜る川鴉一羽

★飛騨の町雪降る川に飛び来たり頻りにもぐる(カワガラス)一羽

川という文字を使うのは一度だけにするか、または川鴉を、カタカナにしてしまうか。この場合、川鴉は空を飛ぶというよりは、低く川面に沿って飛んできたので、(空)ではなく、(カワガラス)を選びたいと思います

☆夜が来て雪は止みたり枝の上積もりし雪の時に落ちたり

この歌にも、(雪)が二回使われている。また、(枝の上)→(枝の上に)と(に)を省略しないこと。(時に落ちたり)→(時たま落つる)が、ベター。

★夜が来て雪は止みたり枝の上に積もりし雪の時たま落つる

なるほど、(落ちたり)よりも(落つる)の方が、能動的な動きが感じられていいですね!

☆陽が落ちて焦がすばかりの茜空筏浮かべる蒼き英虞湾

このままでもいいが、三句と五句の二カ所が、「茜空」と「英虞湾」の名詞止めになっている。これも好ましくはない。だから、言葉の順番を変えたらどうか?

例えば、

★陽が落ちて焦がすばかりの茜空蒼き英虞湾に筏の浮かぶ

追記:カワガラスについて、後日先生に質問のメールを送った。

私からのメール:野鳥辞典を引くと、「川鴉」または「河烏」と書かれていました。昨日は、一首の中に「川」の文字が2回出てくるのは好ましくないと言わ

れてましたが、「河烏」と書く場合は、OKなのでしょうか? それとも「かわ」という音そのものが、重なるのは良くないと考えればいいのでしょうか?

先生からの返信:漢字は見た目、ひっかからなければ、気にすることはなく、「川烏」と「川」があると、一瞬、同じ「川」かと読む時に意味に迷いますが、「河烏」と「川」だとそうしたことはないと思いますので、いいかと思います。カラスは「烏」と「鴉」、ふねは「船」と「舟」、おりるは「降りる」と「下りる」と漢字が2種類、それにひらかなとカタカナ、漢字にルビ付きなどあって、外国人から悪魔の文字表記などと思われたりする原因の一つかと思いますが、日本の文学作品ではその複雑微妙さに苦しみもあり楽しみもあります。気にしだすと切りがないので、見た目の美観を損なわなければいいかと思います。

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