橋本忠雄ブログ

2018年6月18日 13:18

短歌の部屋(50)

今日のお題は 『春』

 

☆水盤の凍りし朝のベランダに雪をついばみ群れる雀ら

「雀が雪をついばむのですか?」という疑問が出ましたが、そうなんです、雪を食べるのです! 最近はご飯粒やみかんなどを、毎朝ベランダに置いてやります。すると、雀は勿論 ウグイスやメジロ、ツグミなどもやってきます。観察していると、色々と面白い姿が見て取れます。その一つが、雪を啄むことでした。

この歌は、〈群れる〉と〈雀ら〉が、両方とも複数を表す言葉である。ここは整理した方がいい。例えば、〈ついばんでいる雀たち〉のように。なるほど、納得です。

★水盤の凍りし朝のベランダに雪をついばんでいる雀たち

★水盤の凍りし朝のベランダに雪をついばみ群れいる雀

ここで一つ注目したいのは、〈凍りし〉が文語、〈ついばんでいる〉が口語になっていることです。一つの歌に両方混じっていることになります。しかし、最近では許容範囲なのです。

小谷博泰先生の師匠の安田章生氏の『現代短歌手帖』から一文を紹介しよう。

実作者としては、必ず文語で作らねばならないとか、口語でつくらねばならないなどというふうに考えるべきではない。言葉というものは、詩作に先行して決定すべきものではなく、詩作そのものの過程において生み出していくべきものである。一首の中に、文語と口語とを混用することも、美感を損しない限り許されるべきでことであって、すべて窮屈に考える必要はないのである。           昭和41年 改訂版より

☆校庭の隅に男の子ら相撲とる桜の蕾もほころびはじめて

私たちは小学校の頃、よく相撲を取っていました。学級対抗なんてのもあったのです。私たちは、六年三組でしたが、野球大会はいつも最下位でした。しかし、不思議なことに、優勝する五組にだけは勝つのです。また、不思議なことに、相撲大会ではいつも優勝していました。各クラス五人が代表で出るのですが、私は六番目だったので控え選手でした。このままでよいが、最後の〈ほころびはじめて〉の〈て〉はなくてもよいだろう。その方が、七文字になって調べもよくなる。

★校庭の隅に男の子ら相撲とる桜の蕾もほころびはじめ

☆廃業した釣り堀の桟橋の下を泳ぎゆく数匹の鮒

私はたまに、星田駅まで散歩に行くことがあります。先日も行ったところ、釣り堀が閉鎖されていました。桟橋の数箇所が壊れており、見る影もありません。ここにいた鮒たちはどうしているのだろう?と、思ったことでした。合計31文字にはなっているのですが、なにか調べに居心地の悪さを感じていました。先生の校正は、こうなりました。

★廃業した釣り堀ありて桟橋の下を泳ぎゆく数匹の鮒

なるほど、調べもぐっと良くなりました。納得です。しかし、指摘される前に何故この言葉を思いつかなかったのか、残念な気持ちがします。まだまだ、修行が足りないということでしょう。

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