橋本クリニック

クリニック院長 橋本忠雄ブログ

橋下「大阪改革」の正体

橋本忠雄 (2009年2月22日 22:06)

一ノ宮美成 著   講談社 1600円 

橋本知事の支持率は、65%とも75%とも言われるほど、高率である。
4062149532.jpg麻生首相とは大違い。しかし、かっての小泉・竹中改革の時代、小泉内閣も驚異の支持率を誇っていたことは記憶に新しい。
 しかし、その小泉改革で何が起こったのか? 貯蓄より投資と言って市場原理主義を、経済の中枢に持ち込んだ結果、労働者は人間として扱われずに、企業に都合の良い調性弁として部品のように扱われ、解雇され続けている。大量の失業者がこれからさらに続出してくることであろう。人件費を減らす企業はいいかもしれないが(これとて、長い目で見れば、購買者を切り捨てているわけだから、景気の回復もおぼつかなくて、自分の首を絞めることにもつながるのだけれど・・・)、この寒空に放り出される労働者の身になってみれば、凍死と紙一重の危険な状態である。これが、ついこの間まで、世界第二の経済大国といっていた国の実態なのか?!

また、高齢者は、後期高齢者医療制度で切り捨てられる。国保料は高すぎて払えない。生活保護は窓口で受け付けてくれさえしない。年金も給料も下がるのに、介護保険料も医療保険料も上がる。
国民の中に、日々の生活さえ出来ない多くの層が生まれてきている中で、小泉改革なるものの正体が、やっと見えてきたではないか!
 市場原理主義は間違っていたという反省が、マスコミでも聞かれるようになってきた。

しかるに、大阪では、橋下知事が、歳出削減1100億円という無茶をやろうとする。そうしなければ、大阪が破綻するのだそうである。しかし、これは脅かしである。確かに赤字ではあるが、これは個人の家計に例えるなら、900万円の年収の人が、1200万円の借金でマンションを買ったようなものであるという。
これを破綻と言うだろうか? (破綻ではないのである)
 また、大阪の赤字を作ってきたのは、無駄な公共投資と小泉内閣の三位一体改革で地方への交付金が減らされたこと、また巨大な同和予算のよるものと、著者は言う。
 なにも、府民の福祉が大阪の経済を苦しめているわけではないのである。

それなのに、橋下知事は、私学助成は切り捨てる、国際児童文学館は移転させる、大阪センチュリー楽団の補助金は切る、公費4医療に1割負担を導入する、府の職員の給料も切り下げる、ボーナスも退職金もカットする。
その一方、自然破壊のプロジェクト(箕面森町、第二名神高速道路、彩都)は進行させる。乱脈同和行政は温存する。
 そして、府の職員と教員たちを抵抗勢力に仕立てて、マスコミを利用してバッシングを行う。郵政民営化反対の議員たちを血祭りに上げて、衆議院選挙に圧勝した小泉内閣とそっくりではないか?!

 小泉を勝たした国民の選択が、今国民自身の首を締め付けているわけで、このまま橋下に、勝手気ままにやらせておくと、今でも痛みが出てきているというのに、きっと近い将来府民自身がもっと酷い目にあうだろう。「橋下さんのやることだから、私は賛成や」なんてのんきなことを言っているおばちゃんも、きっと後悔するときがくることだろう。

 本当は、そうならないためにマスメディアが、警鐘を鳴らさなければならないのだが、今や、『マスゴミ』とまで、揶揄されるようになった日本のジャーナリズムには、期待することは出来ない。多くの府民が、このような本を読んで、地道に学習して行くしかないだろう。
 まどろっこしくは見えるが、それが一番確実な方法である。