橋本クリニック

クリニック院長 橋本忠雄ブログ

あなたの病名が他人に知られる恐れがあります②

橋本忠雄 (2009年2月15日 21:47)

それからもう一つ大事なことは、オンラインにした場合、その情報を企業が見に来るのを禁止してはいけないと書かれています。えっ!と、驚くでしょう。
まったくもって信じられないことですが、個人情報を企業が利用していいというのです。これを推進しているのが、松井証券の社長というのですから、意図は余りにも露骨ですよね。
国会で、「簡保の宿」が問題になりましたね。2400億円もかけた保養施設などを、たった109億円でオリックスに売るというのですから、驚きました。他に400億円を提示した不動産会社もあったというのに、わざわざこの不景気で不動産が値下がりしている時に、オリックスに売るというのは、やっぱり裏があるとしか考えられません。
オリックスと言えば、社長の宮内氏が小泉政権時代の規制改革会議の議長を、長年続けていました。郵政民営化の旗振り役の中心人物だったのです。
その人物が、民営化されかけている郵貯の資産を安く買い叩いているのですから、その意図は明快ですね。しかも、オリックスの株の半分以上はアメリカの企業が握っているのです。アメリカが日本の資産を安く買い取ろうとしているとも言えますね!
これを、利益誘導・利害の  と言わずして何というのでしょうか?

それと同じことが、レセプトオンラインでも起こるはずです。患者情報を知った企業は、あらゆることを行ってくることでしょう。
例えば、あなたに医療保険を勧めてくる、薬や健康食品・健康器具を売ろうとする、重病なら葬儀屋さんまでがダイレクトメールを送ってくるかもしれません。弁護士さんも医療訴訟のために、情報を利用するかもしれません。
なぜなら、あなたの病気は、他人に知られてしまっているのですから。
こんなこと、あなたは許せますか?!
医師には、守秘義務が課せられています。患者さんの情報を他人に漏らしてはならないのです。だのに、オンラインになった途端、医師が他人に言ってはならない重要な個人情報を、企業が知ってもよいなどということに、何故なるのでしょうか?
 まったくもって、信じられない話ですが、これが今、日本で進行している事実なのです。

 

<コンピュータ技術者Aさんからの投稿>

各電子カルテメーカーが請求電子化対応してレセプトオンラインも可能になったことは
知っておりましたが、あまりその背景まで踏み込んで深く考えたことは今までござい
ませんでした。

まず感じたことは、データが一人歩きしていくことは怖いなあということでした。
蓄積された自分の診療データが知らず知らずのうちに利用される恐れは十二分に
あると思います。

容易に想像できるのは保険会社がデータを利用しようとしたり、個人の与信審査
にも影響してくるかもしれません。病歴や検査結果で人を区別していくような
社会が生まれようとしているのかもしれません。誰もが容易に自分の検査歴等
データを見ることができるようになって一見便利なようですが、自分でない第3者に
見られる可能性も0ではないということになります。

今の世の中は集められた情報が価値を生み出しています。例えばクレジットカード等の
購買履歴から客の嗜好性を掴みビジネスチャンスへと結びつけていくような取り組みは
当たり前のように行われておりますが、これもいつのまにか個人情報が集められて
いて利用されている例だと言えます。個人の医療情報も、より大きな付加価値を
生み出す道具として利用されるであろうことは容易に想像できます。
新たな金山が発見され、そのまま見向きもせず放っておかれるわけはないでしょう。

住民基本台帳ネットワークで取り扱う情報は、個人の内面に関わるような秘匿性の
高い情報とはいえないとされ、憲法13条に反してないという判例が出ておりますが
レセプトオンライン請求で集められる個人情報の取り扱いに関しては、住民基本
台帳以上に取り扱いを注意せねばならないのではないでしょうか。もしこの件で
法整備もままならない状態でデータの収集及び活用が想定されるのであれば
個人に関する情報をみだりに第三者に開示又は公表されない自由が侵害されるの
では?という危惧があります。

もしオンライン請求という流れを止められないとするならば、まず第一に集められた情報
利用に関する制約を設ける為の法整備を進める、第二に電送情報に個人を容易に特定
するような情報を含めないようにする等の何らかの措置が取られるべきだと思いました。

(今電送されている情報には個人名と生年月日が記載されているようです。これらを
無くして保険者番号だけにするとか、せめてファイルを暗号化すればファイルが流出した
際に個人の特定が難しいのでは?と考えます。)

一方診療所の立場をとってみれば電送機器の故障やトラブルにどう対応するか?
専門サービスが受けやすい都心の医療機関ならまだしも地方の医療機関は
どう対応するのか?ということや、電送に使っているPCが万一ウイルスにでも
かかって電送ファイルが漏洩したらどうするのか?
(一ヶ月分の診療データが診療所名つきで流出することだって無いとは言えません)
それらの情報漏洩に対する賠償責任は医療機関が持つことになります。

このように個人にとっても医療機関にとってもリスクが高い施策なのに半強制的に
実施されようとしているのは、高利潤を求める偏った企業倫理がそれらに勝り
最優先されているのでは?と勘ぐりたくなります。欧米仕込みの株主利益優先主義が
ここにも波及してきたのかな?とも思いました。