橋本クリニック

クリニック院長 橋本忠雄ブログ

悲鳴を上げる介護現場

橋本忠雄 (2009年3月30日 20:21)

 大阪府保険医協会が発行している雑誌「大阪保険医雑誌」の3月号は、「介護
保険を機能させるための課題」として、介護保険の特集をしていた。
 その雑誌に、私が書いた「なにわ医見」を、転載したいと思います。

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なにわ医見   09年2月15日

介護保険を導入することによって、政府は5000億円医療費を削減することが
出来た。高齢者を社会で支えあう(介護の社会化)と言えば聞こえはいいが、
要するに高齢者にかけるお金を出来るだけ少なくすむ仕組みを作ったのだ。
だから、利用者も事業所も、経済的負担にとても苦しんでいる。
私たちは、訪問看護、居宅介護支援事業所、ヘルパー派遣、通所リハをやっているが、今回彼女らの意見を聴いてみた。
訪問看護:もともと、訪問看護は医療でやっており何の問題もなかったのに、介護保険に移された意味が分からない。書類書きも多くなり、実務に支障が出るほどである。


 ケアマネ:相談・申請はもとより、病院の入退院時の医師・看護師・ソーシャルワーカーさんらとのやり取りも、結局退院してサービスに結びつかなければ、ただ働きになる。クリニックに所属しているからやっていけてるが、単独の事業所は成り立たない。
ケアマネは、介護福祉士やヘルパー出身者が多い。だから、訪問看
護をマネージメントするのは、内容的に無理がある。看護師もやり
にくいのではないか。


ヘルパー:今回の改訂で報酬が例えば、生活援助2が1時間2080円→2350円、身体介護1が0.5時間2310円→2580円に上がるが、とても時間給アップなどできない。介護労働は重労働である。せめて生活援助を50単位上げて欲しい。ヘルパー全員が、研修を受けよと言うが、その研修の間のサービスの穴を、誰が埋めるのか。ギリギリの人数で働いているのに、給与の保障を出来るくらいの報酬が欲しい。


通所リハ:リハビリテーションマネジメント加算は、月8回リハをしなければならないとなっているが、その根拠が分からない。当初は、送迎の車の中でもリハをしなければならない、などという現場を知らないむちゃくちゃな通達があった。


事 務:同じ診療行為を行っても、施設入所者の点数が低いのは、納得できない。通所リハ中は、診察が行えないのもおかしな話。いったん帰ってから、診察に来るのは大変。主治医意見書や訪問審査員の記録を参照しながら、全く知らない他人の介護度をコンピューターが判定するのは無理がある。ケアマネに任せてその判断によってサービスを受けられるようにした方が良いのではないか。


以上、職員の声を聞いてみたが、現場は悲鳴を上げている。募集しても、人が集まらない。来てくれるのは、解雇されたおっちゃんばかり。こんな介護現場でいい筈がないではないか。