吉田重人・岡ノ谷一夫 著 岩波科学ライブラリー 1500円
この本は、「岩波科学ライブラリーの151」とあるから、このシリーズではとても多くの本が出版されているのであろう。
因みに、42は、「愛は脳を活性化する」、95は「驚異の耳をもつイルカ」、109は、「日本の動物はいつどこからきたのか」である。生き物大好きな方には、取って置きのシリーズかもしれない。
虫が好きな少年として思い浮かぶのは、北杜夫、手塚治虫、養老孟司、それに最近では、「できそこないの男たち」の著者・福岡伸一さんである。
彼らはとても優秀である。北さんは、天才と言ってもいいほどの陰影に富ん
だ文章を書かれる。さすがは斉藤茂吉の子ども! 手塚さんの漫画家とし
ての、またストーリーテラーとしての才能は、万人の認めるところである。
養老さんも、クラシックを聴きながら虫の観察に余念がない。また、福岡さん
の文章は、とてつもなく美しい。並みの詩人の書ける文章ではない。
こういうふうに並べてみると、子ども時代に「虫」に夢中になった人たちは、
大人になってからの生き方、また観察眼にも何か特別変わったところが生まれ
てきているのかしらんという感じもする。
ところで、あなたは虫が好きであろうか? わたしは駄目。虫は子どもの頃
から触ることさえ出来なかった。触れたのは、トンボと蝶々のみ。何故なら、
彼らには羽があり、直接あの触覚だらけの脚に触れずにすんだからだ。
そんな、虫や動物を大好きでもない私がこの本を読んだのは、ひとえに毎日
新聞の夕刊の「楽あれば苦あり」という小川洋子さんの文章を読んだからであ
る。
小川さんと言えば、「博士の愛した数式」で、有名である。
「執筆の疲れを癒すものって、何かありますか?」と聞かれたときに、彼女は
しばらく考えたのち、「ハダカデバネズミ」と、答えたのであった。
彼女が愛してやまないという動物のことが書かれている本だというだけで、
これはもう興味津々ではないか!
そこで、この本を読んだのであるが、「世の中には、いろんな人がいるなぁ・・・」
というのが、平凡ながらの感想である。
ノーベル賞を受賞するような科学的研究をする人もあれば、こんなアフリカ
大陸(エチオピアとソマリア・ケニアに生息している)に穴を掘って生活する
「ハダカデバネズミ」を一生かけて研究する人たちもいる。
ほんと、人って色々なのである。
では、本の帯に書いてある文章を紹介します。
―― ひどい名前
キョーレツな姿
女王が君臨
哺乳類なのに
変温動物?
愛すべき珍獣
―― その名は
裸・出歯・鼠
ご興味のある方は、ぜひお読み下さいませ。 09年3月3日



























