橋本クリニック

クリニック院長 橋本忠雄ブログ

命を惜しまないロベルト!

橋本忠雄 (2011年2月 9日 08:30)

1月19日(水)、「エルおおさか」に出かけた。
コスタリカの青年弁護士の講演を聞くためである。
コスタリカは、軍隊を持たない国として有名であるが、その平和の理念を実践している彼は、日本の憲法9条にも深い共感を抱き、世界に9条を広めようと運動しておられる。
しかし、コスタリカという国も、実際にはかなりその国情が変化してきているようだ。
いろんな話を聞いたが、一つだけ紹介しよう。

彼が、デモに参加して帰ってこなかった時、母親は心配して、ケータイで「何をしているの? 早く帰ってきなさい」と、言ったそうだ。
それに対してロベルトは、こう答えた。
「ママはいつも正しいと思ったことは、最後までやりぬきなさいと、言っていたでしょう。まさしく僕は今それを実践しているのです。僕は帰らないよ」。
すると母親はそれ以上何も言わず、彼を励ましてくれたそうだ。

その日の感想を、大阪保険医協会の新聞に書いたので、その記事を載せておきます。

 

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kobaruto1.jpg  コスタリカの青年弁護士ロベルト・サモラ(30歳)の話を聞いた。彼は、2003年、アメリカのイラク侵略を支持したパチェコ大統領を憲法違反だと訴え、勝訴した。2007年には、核反応炉の建設を許可したアリアス大統領を、平和に対する権利及び環境権に反するとして訴え、勝訴した。これを聴いていると、コスタリカの民主主義は素晴らしいように聞こえるが、情勢は大きく変わってきている。今や、ロベルトは大統領から嫌われ、電話やメールは総てチェックされ、命の危険さえ感じているという。訴訟の相談も減ってきた。政府に睨まれているロベルトに頼んでも、訴訟は上手くいかないだろうという判断からである。2ヶ月前から、ニカラグアがコスタリカを侵略し、カリブ海の近くのカレロ島を占領している。それにどう対処するのかと訊かれたロベルトは、武力は使わない、人権裁判所に訴えている、死者は出ていない(戦争すると必ず死者が出る!)、国連にも訴えているというものであった。武力を使わず、国際的な話し合いと圧力によって解決するのだという強い信念が感じられた。「殺されることを、恐れてはいない。それよりも、正しいと思ったことをする以上に、豊かな生活があるだろうか!」と彼が言ったとき、会場から拍手が沸き起こった。
彼の信念は凄い! このように死をも賭した覚悟が政治家には必要だ。鳩山氏も菅氏も、この青年弁護士にははるかに及ばない。