ドクターノート

2008年12月 8日 01:41

大腸癌


症例:65歳 男性

主訴

数年前から、排便時にティッシュに血が付くことがあった。しかし、痔があるのでそこからの出血だと思い様子を見ていた。
今年の10月の初め、排便時に肛門に違和感があり、やはり出血していたので、心配になってきた。

所見
腹部に特別な所見はない。肝臓、脾臓、リンパ節なども腫れていない。圧痛もないし腫瘤も触れない。

経過
まず痔からの出血かもしれないので、肛門科を紹介した。肛門科の所見は以下のごとくである。
『内痔核あり。S状鏡にて、肛門から5cmと15cmのところにポリープあり。出血源が確認できないため、注腸検査よろしく』そこで、注腸検査を行った。
すると(下図)に見られるように、S状結腸にapple core sign(りんごの芯サイン)を認めた。 早速病院に紹介した。

daichogan1.jpg

診断
大腸内視鏡の結果、大腸癌があり腸管がかなり細くなっているので至急手術をする必要があります。

解説
大腸癌は、近年増加してきています。日本人の食事が脂肪の多い欧米型になってきている(その結果、低繊維で便秘になり、腸内容物の大腸内での停滞時間が長くなる)のが原因のひとつではないかと考えられています。
大腸癌の発生する場所は、直腸とS状結腸が一番多いです。

daichogan2.jpg

しかし、初期の頃は殆ど症状がなく、たまに出血するくらいです。(大きくなれば便秘や腸閉塞にもなることがある) だから、最初は痔からの出血と思い込む 方もあるようですが、痔があっても安心しないで下さい。確かに痔もあるけれども、癌も持っているという場合もあるのですから。  
転移は、

①直接浸潤:腸の近くの膀胱や前立腺に転移します。
②リンパ節転移:骨盤リンパ節に転移することもあります。
③血行性転移:圧倒的に肝臓に転移します。肺にも時に転移します。

治療は手術が一番です。抗がん剤や放射線治療は余り効きません。
しかし、予後は、胃がんなどよりも良好です。転移の無いものでは5年生存率は70%〜90%、転移のあるものでも約50%と言われています。
また、胃のポリープは殆どガン化しませんが、大腸のポリープは大きくなれば、癌になる可能性が高いです。1cmを超える大きさのものは、内視鏡的に切除したほうが良いでしょう。


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