ドクターノート

2008年12月14日 15:22

咳がなかなか治らない

29歳:女性
主訴:1ヶ月続く咳

病歴
11月1日、高熱が出た。バファリンを飲み、翌日には37.3度まで下がった。
 痰も黄色かったため、11月4日近医を受診し、ジスロマック(抗生物質)とPL(かぜ薬)を貰った。痰は白くなり熱も下がったが、その後咳だけが続く。 昼間も電話などしていると咳き込むし、特に夜間はひどく、咳き込んで眠りにくい。しかし喘息のようにゼーゼーという程ではない。

既往症
特別の病気はない
アレルギーや喘息の既往もない

所見
呼吸音:異常なし
胸部レントゲン:異常なし
血液検査:異常なし

診断
レントゲン上、結核や肺炎など咳を引き起こす病変はなく、痰もなく咳だけが続くことから慢性咳(アレルギー咳・咳喘息)と、診断した。これは気管支に起こった炎症の為に、気管支が過敏になっているために、少しの刺激でも咳が誘発され長く続くものである。

解説
風邪のあとに咳だけが続く・・・それは喘息咳かも知れません
咳喘息の特徴

 風邪や喘息でもないのに咳だけが数週間以上続く

 風邪に引き続きおこることが多い

 喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)や呼吸困難はない

 痰を伴なわない

 咳は夜間から明け方にかけてでることが多い

 冷たい空気やタバコの煙を吸うと咳き込みやすい

 会話の時に咳き込みやすい

 かぜ薬や咳止めを飲んでも効かない


咳喘息の治療

咳喘息は、診断が難しいため風邪や気管支炎と診断され、風邪薬や咳止めあるいは抗生剤を処方されている場合が多くありますが、このような薬では全く効果がありません。

治療に使われるのは喘息の治療薬である気管支拡張薬や吸入ステロイド薬です。中でも確実な効果があるのは吸入ステロイド薬です。ステロイドというと「副作用があるんじゃないだろうか?」と思うかもしれませんが、吸入ステロイド薬は通常の使用量では副作用がほとんどなく、しかも、効果が優れているため、最近では世界的に喘息治療の第一選択薬に推奨されています。

薬は症状が良くなっても、最低1〜3ヶ月は続けるようにします。喘息への移行を予防するために、吸入ステロイド薬を長期に使用する場合もあります。
診察や検査では異常が見つからないため、診断は非常に難しく、症状から咳喘息を疑い、治療で良くなれば咳喘息と診断する場合がほとんどです。

咳喘息はそのまま自然に改善することもありますが、経過中に喘鳴や呼吸困難が出現し、ほんとうの気管支喘息になってしまう(約30%)こともありますので、もし夜間や早朝に、また運動時や冷気吸入時などに痰を伴わない咳(空咳)が長期間続く方は、喘鳴や呼吸困難がなくても早めに医療機関を受診し相談されることをお勧めします。

なお、咳喘息とまったく同様の症状で、気管支拡張薬が効果のないものをアトピー咳嗽といいます。この場合、ヒスタミンH1拮抗薬が有効と言われています。
長期間咳が続く原因としては他に副鼻腔炎、マイコプラズマ感染症、結核、肺癌、気管支拡張症、慢性気管支炎なども考えられます。

この方の場合、吸入ステロイド・吸入気管支拡張剤を使ってもらったところ、咳は翌日から楽になり始め、1週間後には治ってしまっいました。
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