ドクターノート

2008年12月14日 15:33

パーキンソン病と 間違われやすい病気


最近パーキンソン病も有名になり、多くの内科医は勿論、患者さんでも正しい診断をつけてくる方がおられます。

しかし一方、パーキンソン病と「誤診」されておられる方も少なくはありません。
例えば、クリニックで経験した病気(他院でパーキンソン病といわれていて、そうではなかった人)を並べてみますとーーー
1.変形性頚椎症
2.橋本病(甲状腺の機能低下)
3.NPH(正常圧水頭症)
4.PSP(進行性核上性麻痺)  
などです。  
そこで、今日はそのうちの 4.PSPについて、お話したいと思います。
内容が専門的になってかなり難しいかと思いますが、世の中にはパーキンソン病とは違った病気があるのだということを知って下されば結構かと思います。
  
神経内科以外にはあまり馴染みのない名前です。初めのうちはパーキンソン病として治療されていたが'どうも治療に対する反応に乏しい''よく転倒する''眼球が上下に動きにくく階段が降りにくい'など特有の症状をきたす病気があります。
病態的にもパーキンソン病に似ていますが、パーキンソン病よりも広い範囲で神経の細胞死がおこるのです。
男女比は2.4対1と男性に多く、初発年齢は45から73歳(平均55歳)、罹病期間は2から11年(平均5.6年)です。遺伝は基本的にはみられません(家系内発症も稀ではあるが報告あり)

PSPの臨床的経過の特長として
初期:歩行の不安定、特に後方に倒れやすくなるような症状が発症から1−2年以内にみられることが多い。その他、動作が遅くなる、声が小さく、口ごもるような発音になる 、元気がなくなる、物忘れや怒りやすくなることもありま す。

中期:上下方向、特に下方が見にくくなるため、階段が降りにくくなります。
頚部が後屈し、特有の反り返った姿勢をとるようになる。
末期:痴呆症状が目立つようになる。
食事をむせやすくなる、眼球も全方向に動かなくなる、身体全体が硬くなり、最終的には寝たきりになります。食物や唾液の誤嚥による肺炎や床ずれによる細菌感染などが死因となります。

病理学的には
パーキンソン病は中脳の黒質という部位の変性(神経細胞の減少)が目立ちますが、PSPでは黒質以外にも脳幹や小脳の広範囲に神経細胞の変性や神経原線維という異常構造の出現がおこってきます

検査所見では
血液中の異常や、脳が産生する髄液には異常はありません。
頭部MRIでは脳幹(中脳被蓋と上丘)が萎縮、さらに第三脳室という部位の拡張が特徴です。
脳幹(中脳被蓋という部位)が萎縮してきます。正常と比較するとわずかですが萎縮により中脳周囲(黒い部位)が拡大しているようにみえます。
第3脳室といわれる場所をみると正常と比較し拡大していることがよくわかります。

治療
パーキンソン病に準じて薬物治療(抗パーキンソン薬や抗うつ薬)を行うが、反応はよくありません。
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