ドクターノート

2008年12月14日 16:25

前立腺肥大症は 増えている


症例:63歳 男性

主訴
昨日、宴会でアルコールを良く飲んだ。今朝から、一滴も尿が出なくなった。  
最近排尿時に、昔のようには勢いよく出なくなっていたが、全く出ないなんて初めてである。

所見
肛門から指を入れて、前立腺を触ってみると、かなり腫れているようです。しかし硬さは正常で癌のような所見ではありません。

検査
腹部エコーでは、正常の方に比べて、かなり大きくなっており、膀胱まで突き上げているのが良く分かります。正常では栗の実(またはクルミ)くらいの大きさですが、何倍にも大きくなっているのが分かりますね。 超音波検査の画像(図1)


治療
早速カテーテルを膀胱に入れると、勢いよく尿が出てきました。なんと600mlも出ました。(通常は膀胱には300〜400mlの尿が貯まります)
以上より、前立腺肥大症は明らかなので、α1遮断薬(ハルナール、フリバスなど)を飲んでもらうことにしました。すると、排尿は順調になり、以前より勢い よく出るようになったとのことです。しかし、飲酒は前立腺を充血させ腫れさせてしまうので良くありません。痛飲はくれぐれも注意するように伝えました。

解説
1.これが、膀胱、尿道、前立腺などの解剖図です。
膀胱から尿道が出てくる所を包むように前立腺があるのが分かりますね。これが腫れれば、尿道を圧迫し,尿が出にくくなるのは明らかですね。

2.前立腺は、栗の実くらいの大きさで重さは20gくらいです。精液の一部を作っており、精子を運ぶのに役立っているようです。また年齢と共に大きくなってきます。最近この病気は増えてきています。
3.国際前立腺症状スコア(I−PSS)という表がありますので載せておきます。
ご自分で,前立腺肥大の症状があるかどうかチェックしてみてください。

4.検査
①直腸診
指で、前立腺を触ります。硬さによって、癌かどうかの参考になります。
②尿流測定
尿の排出の勢いや時間を測り、排尿障害の程度を見るものです。

③直腸エコー検査
(図1)は、腹部エコーでしたが,これは肛門からプローブをいれて検査するのです。前立腺の状態が、腹部エコーよりも良く分かります。

④念のためPSAという検査をしておきましょう。これは前立腺癌の腫瘍マーカーです。悪性のものでないことを確かめておきましょう。

5.治療
① 薬
α1遮断薬
前立腺や尿道平滑筋の過緊張を緩和して尿を出やすくする薬です。よく効きます。
②手術
開腹手術
これは最近余り行われなくなっていますが、特別大きくなっている場合は、適応になります。
内視鏡手術 TUR-Pこれが現在の主流です
中間的治療 温熱療法などです。
6.日常生活上の注意
日常生活上の注意が書かれていますので、参考にしてください。
最後に、薬によっては排尿困難をきたすものもありますので、ご注意ください。それらの一覧表を載せていますが、風邪薬などにも注意してくださいね。 

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