ドクターノート

2008年12月14日 16:43

狭心症


症例:70歳 男性
主訴:息切れ

病歴
1年前、動悸がしやすくなったので、専門医を受診し、β--ブロッカー(メインテート)を処方された。その時の検査では、心電図・心エコー・負荷心電図など に異常はなかった。しかし、数ヶ月前から歩くと息切れがして、時には右胸まで痛くなってくることがある。外出もしたくなくなり、ゆううつで物忘れまで出て きた感じがする。すべてに自信がなくなってきた。

検査所見
血圧 145/73 脈拍:58               
心電図:異常なし
負荷心電図(エルゴメーターによる):陽性

カテーテル検査:左前下降枝近位部に高度狭窄あり

診断
狭心性症

治療
カテーテル治療を行った。風船療法ではなく、ステントを留置した。再狭窄がきにくい薬剤溶出性ステントを使用した。                     
左冠動脈前下行枝近位部の高度狭窄(矢印にPTCAを施行し良好に拡張されたところ(右側)

経過
カテーテル治療をした後では、息切れがなくなり、外出するにも自信が出てきた。

考察
この方は、1年前の動悸がしやすいという時点で狭心症を疑っていたが、その時は心電図・負荷心電図・心エコーでも異常がなく、一応狭心症は否定されたと 思っていた。そのため、彼の症状は、ゆううつ・心気症などの心因にも原因があるのかとも考えていた。しかし、今回カテーテル検査で冠動脈の狭窄がはっきり して、その治療の結果、息切れや胸痛が改善されたのであるから、彼の症状が狭心症によるものであったのは明らかである。このように一回の検査でははっきり しない場合でも、経過を追って診て行くことの大切さを再認識させられた例である。

解説
狭心症というのは、心臓を栄養する冠動脈という血管が、動脈硬化のために細くなり、充分な血液が供給されなくなり、そのため運動時などに胸が苦しくなる病気である。狭心症にも大きく分けて3つのタイプがある。

1.労作性狭心症:冠動脈に狭窄があり、運動をしたときに胸が苦しくなる。特に、早朝から午前中に発作が多い。

2.冠れん縮性狭心症:冠血管が細くなってないにもかかわらず、血管の痙攣によって発作が起こってくるもの。動作時ではなく、安静時や夜間に起こってくると言われている。

3.不安定狭心症:血管の中に新鮮な動脈硬化(粥腫じゅくしゅ)ができ始め、心筋梗塞になってしまいそうな不安定な狭心症

治療
薬物治療 
①血管を広げる ニトログリセリン ニコランジル ACE阻害薬  カルシウム拮抗薬
②血栓を作らない アスピリン チクロピジン シロスタゾール ヘパリン
PTCA〔経皮経管的冠動脈形成術〕 風船療法 ステント
冠動脈バイパス手術
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