ドクターノート

2008年12月14日 17:22

頚動脈エコーによる 動脈硬化の変化


頚 動脈エコーは、患者様に苦痛を与えることなく検査できるため、動脈硬化の診断、特にスクリーニング検査として有用です。実際には腹部エコーや心エコーと同 様、プローブを頚部にあてて検査を行い、頚動脈の壁や内腔の状態をみることにより、動脈硬化を視覚的にとらえることができる検査です。





上図のように正常な血管壁はスムースですが、年齢、血圧、動脈硬化などにより血管壁は凸凹で厚くなります。検査では血管壁の内膜、中膜、外膜の三層構造のうち、内膜と中膜の厚さ(IMT)を計測します。正常のIMTの厚さは1.0㎜以下です。

血管壁が凸凹でIMT1.3mmと厚くなっている。

頚 動脈のIMT(内膜と中膜の厚さ)は年齢(表1)、血圧、糖尿病、喫煙、コレステロール、狭心症や心筋梗塞の既往などと相関関係があります。正常の成人で もIMTは年に0.008〜0.01mm程度肥厚すると考えられていますが、上記危険因子をもつ場合、IMTはそれ以上に厚くなります。いずれにせよ年齢 に関係なく、最大径IMTが1.1mm以上は異常としています。

表1 最大径IMTの基準値
年齢が高くなるとIMTは肥厚します。(早期動脈硬化研究会)

頚動脈エコー検査では血管壁の厚さの他に、プラークや血管狭窄の有無、血流の速度などを測定します。

(プラークによる血管内腔の狭窄を認める)

プラーク
動脈内に脂質、血腫や線維などが溜まる病変、増大すると血管がつまったり、脳梗塞の原因となったりします。プラークの大きさや数により動脈硬化の程度を決定します。

(ドップラーによる血流の測定)

また頚動脈における動脈硬化性病変は、脳梗塞や狭心症、心筋梗塞などの発症率と関連があることがさまざまな研究から明らかにされており(表2)、頚動脈で 動脈硬化を認める場合、脳や心臓の血管にも、ある程度動脈硬化が進んでいると考えられます。動脈硬化性病変の程度によっては、将来脳梗塞や心筋梗塞を発症 する危険性が増大するため、予防として内服による治療(血をさらさらにする、コレステロールの是正など)を開始することもあります。

表2 頚動脈病変と冠動脈イベントの危険率(Salonenら,1991)
Salonen らは一般住民1,288人を対象に頚動脈病変と冠動脈イベント(狭心症や心筋梗塞など)の関係を調べた。観察開始時に頚動脈病変のない群に比較して、 IMT肥厚(>1.0mm)群は2.17倍、プラークのある群は4.16倍、狭窄のある群は6.71倍、冠動脈イベントのリスクが高いことを報告した。

Dr.よりコメント
当院にも本年度より頚動脈エコーを導入いたしました。
脳梗塞や狭心症を過去に発症したことのある方、高脂血症や高血圧、糖尿病のある方、原因のわからないふらつきが持続する方などは頚動脈エコーをお勧めします。
また自覚症状のない場合も、動脈硬化のスクリーニング検査として一度検査を受けてみられてはいかがでしょうか。

参考文献:臨床のための頚動脈エコー測定法;日本医事新報社
血管エコーのすべて:南江堂


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