ドクターノート

2008年12月14日 17:31

癌性疼痛からの解放


日本人の死亡率
日本人の死亡率をみてみると癌が一番多いことは良く知られています。


主要死因別にみた死亡率の年次推移 (1900年代:人口10万対:厚生大臣官房統計情報部)

ターミナルケアとは
ターミナルケアとは 終末期の治癒する見込みのない患者とその家族の身体的・精神的・社会的・霊的な苦痛を緩和・除去し、その人らしい生が全うできるように看護することをいいます。
現代の医療技術でも治療することができず、近い将来、死が訪れるであろうと予想される人を終末期にあるといいます。その期間は6ヶ月以内といわれますが、明確な定義はありません。
このように終末期にある患者とその家族の心身の苦悩を取り除き、残りの生命の質を高め、その人らしい生が全うできるように援助することをターミナルケアといいます。

進行癌になると痛みが発現する頻度が高くなる?


WHO方式癌疼痛治療法
1986年に発表された「WHO方式癌疼痛治療法(以下 WHO方式)」の普及に伴い、がん患者の多くが激しい痛みから開放されつつあります。「WHO方式」のベース薬であるモルヒネは、200年以上も前から使用されている伝統的で、大変有用な薬剤です。「WHO方式」発表以後、患者にとっても、医療関係者にとっても使いやすいモルヒネ製剤が数多く開発されています。しかしながらモルヒネは医療用麻薬に指定されていることもあって、医療にとって重要な「治療薬」という認識よりも、「麻薬」であることがいまだに怖れられ、誤解されているケースがあります。
がん患者の90%がモルヒネで充分に痛みをコントロールできることがわかっているにもかかわらず、未だに痛みから開放されずに苦しんでいる患者も多いと思われます。



がん終末期の痛みは腫瘍自体や随伴する炎症が有痛性組織を刺激したり神経を破壊して生じると考えられていますが、治療行為や衰弱、長期の臥床が痛みを引起こすこともあります。
また、がん罹患以前からもっていた神経痛や関節痛が全身状態の悪化とともに増悪して、がん終末期の痛みの主因になることもあります。
これらすべてをひっくるめてがん疼痛と呼んでいますが、痛みがどれに当たるかを見定めることが「痛みのケア」をする上で非常に重要であると考えられています。
がんの痛みの治療法
1)薬物療法
WHO方式癌(がん)疼痛治療法
鎮痛薬の非経口的持続与薬法(持続皮下注入法、持続静脈内注入法)
鎮痛補助薬の併用(ステロイド、抗うつ薬、抗不安薬など)
2)神経ブロック療法
(持続)硬膜外ブロック(局所麻酔薬を注入)
硬膜外腔鎮痛薬注入法(オピオイドを注入)
腹腔神経叢アルコールブロック
くも膜下フェノールブロック
 三叉神経ブロック(末梢枝、神経節)
3)放射線療法
4)脳神経外科的アプローチ
 下垂体ブロック
 経皮的トラクトトミー
5)東洋医学的アプローチ
 鍼灸医療
 SSP療法、TENS療法、TEAS療法
6)その他の治療法
 心理的サポート(カウンセリングなど)
 音楽療法

鎮痛剤使用の基本原則
★経口的に(by mouth)
★除痛ラダーにそって効力の順に(by the ladder)
★時刻を決めて規則正しく(by the clock)
★患者ごとの個別的な量で(by the individual)
★そのうえで細かく配慮を(attention to detail)

オピオイド製剤
がんの診断がされたときから痛みをもつ患者もいますが、多くの例では病状の進行とともに痛みが顕著になっていくことが多いと言われています。
最初は消炎鎮痛剤で充分管理できていたものが、途中から鎮痛効果不充分となり、オピオイド製剤の併用が必要となります。
経口摂取ができる間は、経口のモルヒネ、またはオキシコドンを使用するが、病状の進行とともに経口摂取できなくなればモルヒネ注射薬、フェンタニル貼付薬を使用することになります。
この期間においても疼痛が改善する場合もありますので、そのときの痛みあわせてオピオイド製剤を増減することになります。



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