ドクターノート

2008年12月14日 17:37

変形性脊椎症


症例:66歳 男性

現病歴
5年ほど前から、左足先が痺れ(しびれ感)だした。
2年前から、両手両足がしびれるようになった。そして階段の昇降がスムーズにできなくなった。半年前から、右手で釘を打てなくなってきた。また時々残尿感もするようになった。

現症
歩行は、ほぼ正常だが、直線歩行では少し不安定になる。
腱反射は、上肢:低下〜正常 下肢:やや亢進
両胸、右肩、右上腕、右前腕に筋肉の萎縮を認める。

検査所見
頚椎レントゲン、頚髄MRIにて、脊柱管が狭く、脊髄に対して前方および後方からの圧迫を認める。 


診断
変形性脊椎症による上肢の脊椎神経への圧迫と、下肢へ行く運動神経(錐体路という)への圧迫による症状

治療
①安静
②ステロイドやプロスタンディンの点滴
③牽引
④椎弓形成術

経過
④ の手術を行った。下肢に関しては、著効を示し、階段も楽に上り下りできるようになった。
両手両足のしびれ感も軽快した。
また握力は、右:13kg →18kg 左:19kg →21kg と、軽快したが、釘はまだ打ちにくい。

解説
この病気は、人間が直立歩行をしたことに遠因がある。すなわち、他の動物よりも異常に大きく発達した頭部を支えるために、大きな負担が頚椎にかかっているのである。そのために頚椎が変形し、脊柱管の中を通る脊髄や脊髄から出て上肢に行く神経を圧迫するのである。
その結果、上肢に行く神経が圧迫され、痛みや痺れ感が生じ、筋肉が萎縮したりする。また下肢へ行く神経路が圧迫されることによって、歩行が障害を受けたり、排尿排便がしにくくなったりする。
結構日本人に多く、やはり中年以上の病気である。
歩行障害などの、下肢への症状がなく、上肢だけの場合は、あまり手術はしません。① ② ③の治療方法も結構効果があります。

手術方法は、前方固定術と、椎弓形成術の二つがあります。
前者は、首の前からアプローチする方法で、脊髄を圧迫している椎間板を取り除き、代わりに腸骨からブロック状に採った骨を埋め込みます。後者は、首の後ろ からアプローチし、脊髄を保護している脊椎骨の椎弓という部分を開放し、脊髄にかかる圧迫を取り除く方法です。

このページの先頭に戻る
橋本クリニック 診療時間のご案内 電話番号 06-6991-2555 メールアドレス info@hashimoto.or.jp 診療時間 9時〜12時30分 17時〜19時30分 受付時間 8時45分〜12時 16時30分〜19時 休診日 日曜・祝日/火・木・土曜の午後 住所 〒570-0079 大阪府守口市金下町2-12-5