ドクターノート

2008年12月14日 17:47

急性腰痛症


症例:50歳 男性

現病歴
昨日から、なんとなく腰が痛む。激痛ではないが、身体を曲げたり伸ばしたりすると痛む。下肢へ痛みが放散するわけではない。足もしびれてはいない。

職歴
介護の仕事をしている。送迎時高齢者を抱えて車に乗せて、事業所まで運ぶ。

診察所見
腰部の筋肉に圧痛(押すと痛みを訴える)を認める。
下肢に放散痛はなく、腱反射も正常。知覚障害もない。身体を曲げたり伸ばしたりすると、痛みが出る。

検査
腰椎レントゲン異常なし

診断
下肢に痛みが走らないこと、下肢にしびれなどの症状がないことから、脊髄の障害(ヘルニアなど、腰のところで神経を圧迫する病気)は、なさそうです。また、レントゲンで圧迫骨折なども見られないことから、骨の病気でもなさそうです。腰部の筋肉に圧迫痛をみとめること、体動時に痛みが増強することなどから、腰の筋肉を傷めたための腰痛と考えられます。
治療:まずは安静(出来れば、暫く休業)、次にホットパックなどで、局所を温めて血液循環を改善する。後は鎮痛剤の内服や湿布を使う。少しましになってきたら腰痛体操を始める。

経過
徐々に痛みは経過し、約2週間で治癒した。

解説
●『急性腰痛症』
急性腰痛症の診断は、結構難しいものです。レントゲンをとっても、MRIで調べても、確定診断がつかないものは、急性腰痛の70%もあるという報告もあります。


(しかし、当院ではご高齢の方の通院が多いので、圧迫骨折の割合はもう少し多いような印象を受けています)
私としては、急性腰痛の大きな部分を筋肉性の腰痛が占めているのではないかと、考えています。それゆえ、腰痛体操をして腰の筋肉を鍛えていただくのが重要です。
●『椎間板ヘルニア』
では、椎間板ヘルニアなどの場合は、どんな症状が出るのでしょうか。
上 図のように、腰の骨の間(椎間腔)から、髄核が飛び出して、脊髄や神経を圧迫します。約90%は第4腰椎と第5腰椎の間、第5腰椎と第1仙髄の間に起こり ますので、L5とS1の神経が圧迫される結果、痛みやしびれが、(図2)の黄色く塗った部分と赤く塗った部分に出てきます。これは、脊髄の神経根兆候と いって、脊髄神経がやられた場合の重要なサインです。また、この場合、医師は腱反射といって、ハンマーで膝や踵を叩いて、足が動くかどうかを診ますが、こ れはL5やS1の神経がやられていないかを調べる重要な検査手技なのです。


●『内臓から来る腰痛』
そ の他、内臓が病気になった結果、腰痛がきたのではないかと心配される方も結構多いのですが、実際にはそんなに多いものではありません。(腰痛で調べたら膵 臓癌が見つかって手遅れになったというような話を、皆さん良く聞かれているので心配なさっているのではないでしょうか)
簡単な見分け方は、腰痛の原因が、腰の筋肉や脊椎にある場合は、動くと痛むというのが一番の特徴でしょう。一方、膵炎、胃・十二指腸潰瘍、腎盂腎炎、尿管 結石、膵臓癌などの場合は、動作とはあまり関係がありません。むしろ、食事や飲酒と関係があるほうが多いようです。しかし、よっぽど心配な場合や、そうい う疾患が疑われる場合は、腫瘍マーカーや胃や腸のファイバー検査、CT検査などを受けてください。
●『腰の筋肉』
では、人間の腰を支えている筋肉について、解説しておきます。
下図を見てください。いろいろな筋肉がありますね。それぞれの筋肉がいろいろな働きをしながら、腰を支えているのです。筋肉を鍛えることがいかに重要なのかが分かりますね。
●『腰痛体操』
で は、その腰の筋肉を鍛えるために、どうすればよいのでしょうか。それには、まず腰痛体操をしていただくのが大事です。(Healthクリックをご参照下さ い)体操の一つの見本を示しました。このような体操を朝と晩の2回、やってみてください。きっと、腰が軽くなり、痛みが減ってくるのが実感できると思いま す。
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