ドクターノート

2008年12月14日 17:50

急性膵炎


40歳 男性

現病歴
2日前から胃の辺りが痛い。左腹部や背中も痛む。胸焼けもする。軟便1日3回。
腹部をエビのように丸くしているほうが痛みは楽である。

嗜好
お酒が好きで、ビールは1日1000mlと焼酎を1合は飲む。最近会合が多く良く飲んでいた。

診察
腹部中央に圧痛あり。叩くとこたえるという。

検査
エコーで膵臓が腫れている。胆石は見られなかった。
血液・尿検査で膵臓の酵素(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシンなど)の上昇を見る
腹部単純写真で腹部のガス像を見る。
CT検査で膵臓の腫脹や膵石の有無や膵管の拡張を見る。



診断
急性膵炎
普段から飲酒家であり、最近は特に飲酒量が増えていたことからも、膵炎の診断は容易であった。症状も典型的であった。

治療

入院を勧めたが、なんとか外来で治して欲しいということだったので、まず痛み止めとしてソセゴンを注射した。禁 酒を約束し、食事はなるべく食べないほうが好ましいが、食べるならお粥を少量のみとした。点滴を1日2回行いフオイパンと胃酸分泌を抑える薬を処方した。 徐々に痛みは軽快し約1週間で治った。

  基準値
正常時 発症時
AMYアイソザイム


P1型
30.3 64.0
P2型
8.1 15.7
S1型
45.0 16.3
S2型
14.6 3.6
S3型
2.0 0.4
P由来 33-55 38.4 ↑ 79.7
S由来 45-67 61.6 ↓ 20.3
AST(GOT) 10-40 40 39
ALT(GPT) 5-45 23 29
ALP 110-340 175 183
LDH 107-230 164 162
アミラ--ゼ 40-130 72 ↑ 148
リパ--ゼ 16-60 42 ↑ 289
トリプシン 100-550
↑ 1675
尿中アミラーゼ 0-600 560 ↑ 657
PSTI 5.9-22.7 12.0 16.7
  基準値
正常時 発症時

解説
膵臓は腹部で胃の裏にあり、表面から触れにくく、検査もなかなかしにくい臓器であるため、癌などが発見しにくい。


膵臓は消化酵素である膵液(アミラーゼ、リパーゼ、トリプシン、エラスターゼなど)を分泌すると共に、インスリンやグルカゴンを分泌する臓器であるため、膵機能が弱くなると糖尿病を発症したりする。

急性膵炎は、消化酵素である膵液が、膵臓自体を消化してしまうために起こると考えられています。何故そんなことが起こるのでしょうか? ひとつには、胆石 や癌があって、膵液の流れがせき止められるために膵液や胆汁が十二指腸の方へ行かずに、膵臓の中に逆流してきて膵臓を消化してしまうケース。また、アル コールによって膵管が狭くなって膵液の流れが悪くなるため、やっぱり膵液と胆汁が逆流してしまう場合。またアルコールそのものが膵臓の細胞を傷害するので はないかとも考えられています。

一般に軽症なら予後は良好ですが、いったん重症化すると、色々な臓器の機能不全がおこり、集中治療室での治療が必要になったり、外科的手術をしなければならないこともあります。
予防としては
1. アルコールの多飲は厳禁 
2. 胆石があれば手術をする
3. 暴飲暴食をしない 





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