ドクターノート

2013年4月18日 09:04

杖の話

杖の話

リハビリテーションをしていると、杖を本来持つべき側と反対側でつくと思っている方を多くみます。
テレビドラマや映画の中でも反対で持っている姿を見かけます。杖は本来、患側下肢(悪い方の脚)と反対側の手で持ちます。右膝が痛ければ左手で杖をつくといった具合です。

なぜ反対の手で持つのか?

支持基底面
支持基底面とは、両足で立っているときには両足底およびそのあいだの部分を合計した面積のことです。例えば杖を右手でつくとこの支持基底面が右側に延長されることになります。(図1)
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図 1 支持基底面

 

身体の重心線(おへそのやや下からまっすぐ床におろした線)が支持基底面内に収まっていれば安定して立っていることができ、支持基底面から外れるとバランスを崩して転倒するというわけです。歩くときも同じで、左足をあげた時には支持基底面は右足底の面積のみとなり、その中に重心線が入っていなければなりません。杖をつくと支持基底面が広がり、安定性が増すというわけです。

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図 2 杖の位置と支持基底面・重心線との関係

 

では右膝が痛い場合、杖を右手で持つと支持基底面は右足底とより右側の杖とを結んだ面となり、重心は右に偏移します。逆に左手で持つと支持基底面は左側へ広がり、重心も右手で持ったときと比べ左側に偏移することになります。(図2)このように、左手で杖をついた方が右脚にかかる負荷が小さいことがわかると思います。
なかには以前からの習慣や、どうしても利き手でないとうまく杖を使えないなどの理由から患側下肢と同側に持ってもらう場合もありますが、基本的には反対側の手でついてもらうことをお勧めしています。

参考文献
中村隆一,斎藤宏,長崎浩:基礎運動学 第6版.医師薬出版株式会社,2005

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