2025.03.12

クリニック通信

患者さんと作り上げる医療


音楽の力で心身元気に

守口市 橋本貴司先生

医師を目指したきっかけを教えてください。

子供の頃から、開業医である父の姿を見てきました。診療だけでなく、患者さんとのクリスマス会やお花見などの交流会にも参加し、自然と患者さんとのコミュニケーションを学んできました。そのような環境で育つうちに、病院で行う〝医療〞というより、患者さんと共に作り上げていく〝医療〞という考え方が芽生えました。とてもやりがいのある仕事だと思い、医師を目指しました。

神経内科と消化器内科を専門にされたきっかけは

神経内科を志したのは、医局で学ぶうちに神経内科の学問的な面白さに惹かれたからです。また、地域医療に携わる上で、今後、認知症をはじめとした神経疾患が増加し、神経内科の需要が高まると考えました。

ただ、実際に病院で神経内科医として勤務すると、神経疾患には治らない病気が多く、患者さんに療養型病院への入院を勧めるなど、最後まで診ることが難しいジレンマを感じることがありました。そんな時、研修医時代に一般病院で消化器内科の研修を受ける機会があり、消化管内視鏡手技に魅了されました。消化器内科では、「自分で診断し、治療まで完結できる」という点に大きなやりがいを感じ、現在は神経内科と消化器内科の両科を専門としています。

診療で心掛けていることはありますか

丁寧な診察を心掛けていますが、身体だけでなく心も元気になってもらうことを意識しています。患者さんに「大丈夫ですよ」と声をかけ、安心してもらうことを大切にしています。

診察をしていると、気持ちが沈んでいる患者さんが多く、「病は気から」という言葉を実感します。「先生の顔を見たら不安が和らいで元気になったわ」と言っていただけることが何よりの励みです。

クリニックの特徴について教えてください。

昨年、橋本クリニックから「橋本内科整形クリニック」に名称を変更しました。整形外科は弟が診療しており、内科と整形外科の2科を診療できることが当院の大きな強みです。

父の代から続く「わたしのカルテ」は、当院の特徴の一つです。検査データや医師からのコメントを添えて患者さんにお渡しし、自分の病気や身体の状態を知っていただくためのコミュニケーションツールとなっています。さらに、クリニックの日々の診療を支えてくれているのは職員です。クリニックでは、6つのクレド(信条)を毎朝の朝礼で確認し合います。「常に笑顔を心掛けます」「患者さんの立場になって親身な応対をします」「周りの状況をみて、常に目配り・気配りを心掛けます」といった内容を、スタッフ1人ひとりが日々の業務の中で体現出来るよう心掛け、こうした積み重ねが、患者さんに安心して心地よく診療を受けていただける環境づくりにつながるよう努力しています。また院内清掃や送迎を担当する職員の中にも、元々クリニック愛の強い患者さんだった方もおられ、まさに職員に支えられているクリニックだと感じています。

最後に先生の休日の過ごし方や趣味について教えてください。

働き始めてから10年目にサックスを始めました。私がテナーサックス、弟がドラムを担当し、クリニックの職員も加わり「The Soul Up」というクリニックバンドを結成しました。初めはクリニックのイベントで演奏会を行っていましたが、最近では地域の認知症などの講演会でも演奏するようになりました。単なる講演会ではなく、リハビリ体操や患者さんで構成されたコーラス部による合唱なども取り入れ、患者さんも楽しみ、身体と心を元気にすることで健康寿命を延ばすことを目指しています。今後も医療や介護だけでなく、文化的なアプローチも大切にしながら、患者さんの健康を支えていきたいと思っています。

ありがとうございました。

クリニックバンド「The Soul Up」

患者さんに配るわたしのカルテ


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